やりたいことができない職場で夢を掴むためにしたこと / イベンター:加藤 雄也

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「その日限りのイベントだからこそ、思い出に残るものにしたいんですよね」

 

そう話すスーツ姿の青年。

自分のやりたいことを仕事にしている人は、とても軽やかで清々しい表情をしている。

 

 

今回インタビューでお話を伺ったのは、加藤 雄也さん。

イベント運営事業を行う企業に勤めながら、岡山県の若者の夢を共有し叶えるフリーペーパー『SHARE DREAM』を企画している、24歳だ。

現在は、イベントの企画・営業部として、県内の大学祭、エコカーイベント、野外お笑いライブ、企業向けの社内イベントなど、主に岡山県内の学園祭やイベントの企画運営をしている。

 

栞やのコンセプトに共感してくれて、Twitterでのダイレクトメッセージを送ってくれたことが

彼との出会いのきっかけだった。

 

一度は諦めた夢を掴むためにしていたこととは

 

— 加藤さんは、大学生の頃に学園祭の実行委委員としてイベント運営に関わって以来、すっかりイベントの魅力にハマったのだという。卒業後、イベント関係の仕事に就くことを希望していた加藤さん。3人兄弟の一番下であった彼は、いわゆる普通の会社に勤めてほしいとの両親の希望を受けて、これ以上迷惑をかけたくないという思いから、就職活動をした。

 

加藤さん:新卒で入社したのは、住宅メーカーの会社でした。感謝祭などのイベントがあることも選んだ決め手でしたね。でも、会社の有給を使いながら、学祭などのイベント運営の手伝いをしていました。

特に、秋にはイベントの手伝いも集中するし、入社して1年経たないうちに、やっぱりイベント事業に専念したいって思うようになったんです。

でも当時、お世話になっていた先輩から涙ながらに辞めることをとめられて、それでもう少し働くことにしました。だけど、どうしてもイベントのほうに行きたくて、入社して2年目の夏に、住宅メーカーの会社を辞めることに決めました。

 

「思い出に残るものにしたい」という思いで労力や準備に時間をかけて取り組む、イベントの魅力。音楽やお笑いをとおして、地域の方や学生の喜ぶ顔がみれたり、Twitterでの反応がみられることは、他の何事にも変えられない喜びとやりがいになっていた。

会社の休日を利用してまで大好きなイベントの運営に関わり続けた行動は、まさに自分がやりたいことの” 発信 “となったのだ。

その行動が、加藤さんにとって人生を変える出会いを引き寄せることとなった。

 

 

加藤さん:会社を辞めたあとは、バイトでイベントの仕事をしていました。イベントの手伝いに入っていたときに、今の会社の社長から「うちで働かない?」と声をかけてもらって、すぐ入社を決めました。今の会社は、学生の頃から学祭の手伝いとして入ってくれていたので知ってはいたのですが、その頃はこの会社に入るなんて思っていなかったです。

 

— この社長、実は若い頃にロックバンドのボーカルをしており、メジャーデビューも果たしていた。しかし、ライブが次第にできなくなる環境へと変化し、解散することになったのだという。叶わなかった夢を若い世代に託すために、音楽教室からはじまったというこの会社。イベント運営事業のほかに、タレント育成などの教育や、飲食業の経営、IT事業を行うなど会社の事業の幅は多岐にわたる。

オフィスには加藤さん以外に30代後半の3名の社員がいるが、それぞれ社外で働くことも多い。それでも揃っているときは、社長の一声でお昼ご飯を食べに行くことも。事務職として働く女性社員は、子どもをどうしても預けられない時は職場に連れてくることができたり、時間に融通が効いたりと、女性にとっても働きやすい環境のようだ。

 

夢のお手伝いをするフリーペーパー。コンセプトは「若者に夢をかなえさせてあげたい」

 

— 2017年12月に現在の会社に入社して、約3ヶ月が経過する。働くなかで「嫌なことは?」と聞いても、しいて言えば、通勤時間が長くなったことくらいなのだとか。自身の夢だったイベンターになることで、自分らしく働くことのできる舞台を手に入れたのである。

 

加藤さん:イベンターとしての仕事は毎日が楽しくて、休みをとれと言われていても、つい働いてしまうほどです。(笑)社長からは、「何をやってもいいよ。結果を出してくれたら」って言われます。

そのときに、若者の夢を叶える力になりたいという思いから、フリーペーパー『SHARE DREAM』の発行を思いつきました。

フリーペーパーのコンセプトは「若者に夢をかなえさせてあげたい」です。

岡山県内の10代〜20代の男女にインタビューをして彼らの夢への想いと写真を紙面に掲載します。

さらに、毎号取材させて頂いた方の中からネット投票でグランプリに選ばれた1名を密着取材をしたり、夢を実現させるための具体的なアドバイスや、夢をかなえるのに必要なものの購入など資金面の支援も行う予定です。

 

— 一番届けたい世代である岡山県内の若者にダイレクトに届くよう、大学・高校にを中心にフリーペーパーを置かせてもらうことが決まっている。なお、『SHARE DREAM』は平成30年4月の初版を目指して、現在クラウドファンディングに挑戦している。

3月28日(水)午後11:00まで支援できるので、興味のある方はぜひこちらから!

(追記)クラウドファンディングを達成し、平成30年4月19日に創刊されました!

 

イベント運営に携わり続けることで、自分らしさの軸がブレることなく、一度は諦めた夢を叶えられた。夢を叶えることの豊かさを知っているからこそ、今度は若い世代に1度は夢にチャレンジするきっかけをつくりたいと思うようになったのだ

妥協なく自分らしく居られる場所を見つけた彼は、さらに新たな夢への連鎖を生もうとしている。

 

企業に勤めながら、好きなことをして生きるために、とりうる手段を考え、行動する。

加藤さんの場合は、住宅メーカーで働きつつも、有給を使ってでも、本当にやりたいことであるイベントの運営に積極的に関わり続けた。
その活動の積み重ねが、現在のイベント事業を行う企業との出会いに繋がった。

 

『短い一生で心魅かれることに多くは出会わない

もし見つけたら

大切に…大切に…』

という言葉を残された、写真家の星野道夫さんの言葉を思い出した。

 

自分のやりたいことができない環境だから、と諦めてはいないだろうか。

やりたいことを大切にするために、今できる小さなことからでも始めてみるのはどうだろう。

その小さな一歩から、あなただけの物語がきっと始まる。

 

『SHARE DREAM』の最新情報が流れているTwitterはこちら

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この記事を書いたタビビト:

さなえ

栞や Founder / Producer プロフィール詳細