読み物

【LETTER WEEK コラム】 – わたし宛に、手紙が届いた – vol.3

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『 放ったことばの着地点    

 from メキシコ 
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わたし宛に手紙が届くようになって、5月は何度もポストをのぞいた。

けれど、 ゆいちゃんからの手紙は 届かなかった。

心待ちにしているのは、わたしだけではない。

そう、チャイ子 も。

わが家には、チャイ子という名前の ねこが一緒に暮らしている。

彼女も、紙が好きだ。というか、好物だ。

隙あらば、かじり、すこし食べ、すりすりしている。


目的のちがいはあるけれど、ともに手紙の到着を待った。


やってきた手紙は、はるばるメキシコから。

「なんか遠そうやなぁ、、そりゃあ時間もかかるよなぁ」

あまりメキシコについての知識をもたないせいで、

ざっくりとしか 捉えられない。

書き添えられた手紙の日付は、 “ 2019.5.1 “。

なんと 1ヵ月以上も前に、手紙は放たれていた。

もしかすると、『届いたこと』のほうが、ほんとはずっと 

奇跡なのかもしれない。

ついさっき送ったことばの 既読 が知れる便利さに、

もうずいぶんと 慣れてしまった。

着地の「不確かさ」さえも のみこんで放たれた、手紙のことば。

長い旅路を終えたよろこびを含み、

ゆっくりとわたしのなかへ、着地した。

 

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手紙 送り主 : kami/ なみえゆい 『世界の紙を巡る旅』

手紙 もらったひと:栞や さなえ

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