読み物

【LETTER WEEK コラム】 – わたし宛に、手紙が届いた – vol.10

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『 みんなちがう場所で生きる    

 from ベトナム 
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2019年、12月。今年もあと少しで終わろうとしている頃。

10通目となる『旅先からの手紙』がベトナムから届いた。

 

手紙が届いたときのこちらの季節を残したくて、

そのとき咲いている花や落ち葉と並べて写真におさめる。

 

今回は、冬になると赤い実を実らせる南天を添えた。

 

手紙から出てきた紙は、ちょっと変わった手触り。

表はざらざら、裏はふわふわしている。

あの おなじみのお菓子『雪の宿』にそっくりなこの紙は、

貝の粉が塗られたものらしい。



ゆいちゃんがいる ベトナム ハノイは 気温が20度。

 

すっかり琴平は寒くなって 冬モードだったわたしは、

ストーブいらずな年越しが当たり前に存在する事実に、不意をつかれた。

 

世界にはわたしの日常とちがう日常が、いくらでもある。

 

ベトナム語で書かれたチケットも、

手漉き紙のポストカードも。

 

彼女が旅で見つけたこれらの紙たちは、

ベトナムで暮らすひとの日常へとつながっている。

 

みんなちがう場所で生きる、それぞれの暮らしは、

ひとつとして同じものはない。

 

たとえすぐとなりのお隣さんだって、

わたしの日常とはちがう日常のなかを生きている。

 

手紙が届いたその先の、日々の愛おしさ。

それを忘れないでいたい。

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手紙 送り主 : kami/ なみえゆい 『世界の紙を巡る旅』

手紙 もらったひと:栞や さなえ

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