【LETTER WEEK コラム】 – わたし宛に、手紙が届いた – vol.9
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『 過去、現在、未来 』
from ネパール
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ネパールからの手紙を、わたしは密かに楽しみにしていた。
「卒論は ネパールのロクタ紙 を研究してました」
と、旅にでる前のインタビュー記事で、ゆいちゃんが話してくれたからだ。
大学の頃から、彼女のひとり旅の行き先は『全国各地の工房巡り』。
“その土地だからつくられるものや、
そこで暮らすひとがつくるものにふれたい” が 彼女の旅の原動力で、
それが『世界の紙を巡る旅』へと突き動かした。
そんな彼女が卒論で選んだ紙が、ロクタ紙。
わたしもやっとふれられるのが、楽しみだった。
2019年、11月。9通目の『旅先からの手紙』は、ネパールから届いた。
初めてふれたその紙は、やわらかで、
例えるなら まるで空気をふくんでいるようだった。
これまでわたしがふれた紙のなかで「空気をふくんでいる」と感じたものはなかったので、この違いにまずは驚いた。
紙と紙がふれあうときに、反発がない、というか、混ざり合う、というか。
手紙のことばを読むと、
3年ぶりに、当時ネパールでお世話になったひとと再会をしたという。
いま、どんな気持ちでいるのだろう、と想像する。
紙を巡って旅をする 彼女の過去と現在と、そしてこの先の未来。
紙そのものに宿る不思議な魅力と、
彼女が伝えたいと願う まっすぐな想いが 手紙のなかで溶け合っている。
この先も、誰かの手のなかへ
やわらかな風を きっと、はこんでいく。
いまわたしが受けとったような風景が、
この先いくつもうまれるといいなとおもった。
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手紙 送り主 : kami/ なみえゆい 『世界の紙を巡る旅』
手紙 もらったひと:栞や さなえ
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