消費ではなく『循環』の心地よさを知る旅 / 植物と手仕事品のお店『horunu』での初個展を終えて
10月23日〜25日にかけて、大阪にて、はじめての個展を開催することができました。
会場となったのは大阪府箕面市にある、植物と手仕事品のお店『horunu』さん。
わたしたちはこの3日間、ただただhorunuさんが生み出す、
心地いい循環の安心感のなかで過ごしていました。
栞や絵を喜んでくださる方たちとの素敵な出逢いをいただいた個展での時間のことや、
horunu店主 やすこさんに伺った、お店づくりへの想いなどについて、今日は書こうと思います。
消費ではなく『循環』の心地よさを教えてくれた場所
今回わたしたちが準備をしていったのは、
⚫人生という “ひとり旅” をテーマに描かれた栞の原画展示
⚫『お守り栞』の販売
⚫『旅する栞や文庫』の体験
⚫『絵からうまれた祈りの耳飾り ‘ohu.a.hua 』の販売
⚫出張喫茶…coffee
でした。
はじめての関西での栞展にも関わらず、
「見にきてくださる方がいなかったらどうしよう」という不安を一度も感じることなく、
素敵な出逢いに次々と恵まれ、気づけばあっという間に終わっていました。
これはもう、間違いなくhorunuさんのおかげだね、とあれから何度も二人で話をします。
栞の展示された空間に涙してくださる方。
いつまでも原画を眺めながら、感じたことを話してくださる方。
大切な人に贈るために、じっくり栞を選んでくださる方。
なんと展示を終えた数日後には、そのときの空間が忘れられず、
香川にある『栞や』まで大阪から訪ねてくれた方もいました。
『絵からうまれた祈りの耳飾り ‘ohu.a.hua 』も、気に入ってくださる方の元へと旅立っていきました。
実店舗でおこなっている『旅する栞や文庫』の体験を楽しみに待ってくださっていた方も。
贈る本を選び、そのことについて話してくれる姿や、
心からの文字を手紙に書く人の姿は、やっぱり美しかったなぁ。
人生という ” ひとり旅 ” を、自分の感覚に従い、歩む。
そんなタビビトたちの感性が反映されたものを
【いま、必要としているタビビトへおつなぎすること】が、
今回の個展でのわたしたちの役割のひとつだと思っていました。
届けたかったタビビトの元へ届くことが、こんなにも満たされる感覚なのだと
この3日間で身をもって知ることができました。
と同時に、この空間をつくりあげたhorunuさんの在り方についても、惹かれていました。
展示期間中の24日には、大阪府吹田市でカフェを営んでいる『onishisantoko』の焼き菓子まで届いたのですが、
空間を居心地よく過ごさせていただいたことはもちろん、
焼き菓子を買う行為に “消費する”という感覚がなかったんです。
この一例に限らず、horunuさんでは、
お客さん(そう表現するのが適切ではないくらいに)と店主やすこさんの間で、
新しい展示やワークショップの企画がうまれることがしばしば。
お店を訪れる人たち同士が共鳴しあい、意気投合することも。
店主やすこさんも知らないところで、新しく素敵ななにかが生まれることもあるそうです。
実際、展示期間中にも、偶然の再会や新しい企画がうまれる瞬間をなんども目の当たりにしました。
お店でありながら、”消費する場所” という感覚よりも、”生み出す場所” という表現がしっくりくる場所。
生み出したものが、また次に生まれるものを後押しするヒントになる。
その在り方が、” 心地いい循環” に繋がるんだ、と。
だから、この場所で展示をさせてもらったことがこんなにも居心地がよかったんだと、
展示期間中にとても大きな気づきをいただきました。
『あたらしく活動する人たちの “発信の場所” にしたい』 店主やすこさんの想い
大阪に引っ越す前、東京で暮らしていたやすこさんは、当時、花のアトリエを持つ作家さん。
いまは、ものをつくることで表現する作家としての活動が中心ではなく、
horunuでの空間づくりをすることが自身の表現なのだと言います。
今でこそ、このことばがしっくりくる場所ですが、
3年前にお店をはじめたときには、手探り状態で葛藤もあったのだと話してくれました。
やすこさん:
花の仕事をずっとしてきたから、最初はhorunuでも「もっと花を押していかなきゃいけないかな」って思っていました。自分で花のワークショップをしたりとか。
でもそれは全部「しなきゃしなきゃ」と思っちゃって。だからこれなんか違うなぁと。
でも自分でも、何か表現したいなっていうのがずっとありました。
お店をはじめると、ここが『人がつながる場』っていうのはすごく感じてたんですけど、『私は繋ぐだけなのかな』って思ったことがあって。
私のなかではそれだけなんかなって思ったときに、いっときちょっと寂しくなったときがありました。
自分は何の表現もしないのかなと。
そんな時にふっと、『ものづくりだけをしたかったら、お店してなかったな』って。
アトリエで良かったなーって思ったんです。
− きっかけになったのは、友人の一言、「私は招いたりとかすることが苦手だ」ということば。
それを聞いたやすこさんは「招くのは、私好きだな」って思ったのだそう。
やすこさん:
『人が来てくれて、この場所を提供したいからお店をしたんだ』って思ったときに、自分で生み出さなきゃ生み出さなきゃって、思わなくなりました。
『その箱をいかに心地よくするのか』が『自分のやるべきこと』なんだなってわかったときに、
それで作家さんとかこれから何か発信したい人の場所として、自分なりの最高の場所をつくりたいなって思うようになったんですよね。
そしたらストンと腑に落ちて楽になって、もう私は隙間時間でつくればいいやになりました。
だから店づくりの試行錯誤は、必要な時間でしたね。
ー 細やかな空間づくりと居心地のいい空気感。
この場所こそがやすこさんの表現ということばが、しっくりきます。
やすこさん: 自分がものをつくってそれが旅立つよりも、ここに来てそういう風に言ってくれることが嬉しい。
人が来て、『もう、癒されます、ここ』って言ってくれる。
それがもうご褒美の言葉という感じ。それがもうありがたい。
この感覚を崩していくと、置く商品とかもずれてきちゃう。
私にとっては『ものづくりより、箱だったんだ』という感じですよ。
『人と話したりとかするのが意外と好きだったんだ、私』みたいな感じもあります。
お店には人が集ってきますもんね。その空間を楽しめない人はきっと、表現方法が『お店』じゃないんでしょうね。
だからこそ私にとっては空間づくりが大事だし、そこはこだわりたいなと思ってます。
作家さんの手仕事品を扱いながら、今後はカフェも併設したいとも話してくれました。
あらたに活動していく作家さんたちの発信も、展示会やワークショップなどで積極的に展開していくそうです。
こうしてやすこさんの感性と想いの詰まったhorunuは、3年間の月日を経て、
表現する人たちが、互いにインスピレーションを与え合うことで 循環を生む、居心地のいい場所となっていきました。
旅と暮らしを繋ぐためにできること
はじめての個展で訪れた場所と、そこで過ごした時間は、
きっと、わたしたちにとって忘れられない感覚として残っていくのだろうなと思います。
大阪から香川に戻ってくる途中に立ち寄ったコンビニで蘇った、消費の感覚。
あの場所で過ごした時間は、日常のなかでは見失われやすい特別な時間だったのだと気づいた瞬間でもありました。
普段の暮らしで、消費ではなく循環の感覚でいられること。
それが、満たされる感覚をうむひとつなのだと思います。
自分も生み出す存在であると気づくことであり、
身近なひとへの応援の気持ちで価値を循環させることからきっとはじまるのだろうな。
店主やすこさんからは、今 horunuがある場所は、かつて神社だったのだと教えてもらいました。
また箕面市は有名な滝がある、水の場所。
『栞や』のロゴには鳥居が隠れていることや、
水の神様を祀るこんぴらさんの麓に『栞や』があること。そんなご縁も感じた不思議な旅。
この旅で気づいたことが、琴平での暮らしづくり、『栞や』での場づくりに
繋がってゆきますように。
今回の個展の詳細
『 いまの声に耳を澄ませて 』 – 季節を巡る “ ひとり旅 “ のお守り栞 展 –
2019/10/23(水)13:00~17:00
10/24(木)25(金)10:30~17:00
[ horunu ] ( ホルヌ )
大阪府箕面市如意谷1-11-27
_____________________
わたしたちは皆
人生という”ひとり旅”をしている旅人。
新しいことをはじめたい気持ちが
わきあがったとき。
内なる声に従って
自分らしく生きたいと願うとき。
季節が巡るように
変化しているわたしたちの日々に
寄り添うお守りがあったらいいなぁと願い
『お守り栞』をつくりました。
あなただけの物語を歩むときの
旅を彩るお守りになりますように。
_____________________
⚫人生という ”ひとり旅” をテーマに描かれた栞の原画展示
⚫『お守り栞』の販売
⚫『旅する栞や文庫』の体験
⚫『絵からうまれた祈りの耳飾り ‘ohu.a.hua 』の販売
⚫出張喫茶…coffee
※24日には
onishisantoko さんの焼き菓子が届きます
☆黒糖くるみスコーン
☆ベリーのクランブルマフィン
_____________________
出店依頼、栞の卸販売はお気軽にご相談くださいませ。
素敵なご縁がありますように。