歩んできた足跡は だれかの道しるべに / 『リノベーションまちづくり実践講座』の機会を終えて

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− 2人の足跡をたどって

たくさんの旅人が 訪れる場所 となりますように。

 

これは『栞や』をopenしてすぐの頃に、友人がわたしたちに贈ってくれたことばで、

今も大切にしている ことばの道しるべ。

 

openして1年経ったばかりの、旅の途中のわたしたちに 今回巡ってきたのは、

『これから自分たちのお店をもちたい』

『やりたいことを形にしたい』

という方たちにむけてお話する機会だった。

 

今日はその日のことを書こうと思う。

 

「やってみたい」は「やってみよう」に変化する

 

機会をいただいたのは、丸亀市がおこなう『リノベーションまちづくり』事業のなかの、実践講座

プログラム。

丸亀市では、これまで空き家や空き店舗のリノベーションを通じて まちなかの再生を図る

『リノベーションまちづくり』を進めてきた経緯がある。

 

2020年1月17日開催『好きなことを仕事にワークショップ② 〜実践者との交流〜』@栞や

 

「やりたいができる、出番と居場所があるまち」という再生コンセプトのもと、

「やりたい」を応援し、まちなかで実現できるようサポートしているのが

『リノベーションまちづくり実践講座』だった。

 

その講座のなかで、

地域で「自分の好きなこと」「やりたいこと」に取り組んでいる実践者との交流の場として、

『栞や』に声をかけていただいた。

 

 

『空き家を活かして、自分たちらしく 新しくなにかをはじめること』に共感しているわたしたちにとって、

この機会に出逢えるひとたちとの時間はとても楽しみだった。

 

わたしの祖父母が持つ空き家がたまたまあったのが、琴平(香川県)のまちだった。

祖父母は別の場所に住んでいるため、まさかこの場所に空き家があるとは思ってもみなかった。

 

 

岡山で暮らしていたときに、身近なひとたちが 空き家を活かして心地よく暮らしていたことや、

『自分を表現することの魅力』を目の当たりにしていたわたしたち。

” あるものを活かしたい、磨きたい ” という想い はつよくなっていった。

 

ちょうどその頃にこの家の存在を知ることになる。2017年の終わり頃のこと。

 

そして、空き家に手をかけて、空間そのものや流れる時間を『変化させていくことの魅力』 を知ったのは、

近くでその姿を見せてくれるひとたちがいたから。

 

岡山県玉野市宇野にある、廃ビルをセルフリノベーションしたホステル『HYM Hostel』。スタッフやヨガクラスなどをさせてもらい、お世話になった。はじまりをくれた場所。「完成図はつくりながら考える、使いながら考える」の精神で絶えず変化中。

 

岡山駅西口奉還町商店街にある『奉還町4丁目ラウンジ・カド』。「食べたり、飲んだり、見たり、話したり、歌ったり」する日々。店主へのインタビュー記事はこちら。

 

岡山での暮らしは、わたしたちの「やってみたい」という気持ちを育て、

「やってみよう」という実際の行動へと後押ししてくれた期間だったように思う。

 

店づくりの知識や経験はなかったけれど、

「やってみたい」「わくわくする」が行動の原動力となって香川県の琴平町へと引っ越してきた。

 

岡山では、綺麗なアパートから築65年くらいの古い平家に引っ越して、自分たちで直しながら暮らした。

 

住みながら考え、自分たちができることを小さくはじめる

 

1年間、暮らしながらの店づくりをゼロから併走させてみての感想は、

思った以上に大変だったこと。そして思った以上に楽しかったこと。

 

自分がやりたいことと、いまの自分にできることを天秤にかける。

キャパオーバーしていたり、なんだか違和感があったりしたら、立ち止まる。

はやくたどり着きたい理想と、ゆっくりと育っていく現実とのギャップに、もどかしい日々も続いた。

 

岡山でお世話になっていた友人たちに手伝ってもらい、最初は床張りから。

 

当初スパイスカレーを提供していたけれど、仕込みや片付けに相当な時間がかかり、自分の中でのバランスを崩す。4ヶ月ほど、カレーの提供をやめていた時期もあった。(現在はちょうどいいバランスを見つけて復帰してます!)

 

カレーをやめていた期間は、ひとり旅の絵からつくった『お守り栞』を届けたくて、ギャラリー空間に作り変えた。

 

試行錯誤するなかでの、よき出逢い。

思いがけないものが生みだせたときの、表現する喜び。

仲間を頼ること。時間をかけることの大切さ。

 

栞を届けるきっかけを考えていたときにうまれたのが『旅する栞や文庫』。本と栞を物々交換する本棚が 昨年8月からスタート。反響いただき、多くのメディアで取りあげていただいた。

 

三松文庫さんとの出逢いから本を取り扱うことに。

 

10月にはこんぴらさんの参道にシャッターアート『旅するクジラ』を制作。毎月栞の絵を描いてくれた絵描きの幸山将大さんとともに。

 

これからつくってみたいのは、オリジナルのレターセット。『世界の紙を巡る旅』を終えたkami/のなみえゆいさんと想像を膨らませている。

 

わたしたち夫婦がこの場所で「やってみたい」をはじめると、

出逢うタビビトたちによってこの場所は彩られ、変化していった。

 

暮らしながら自分たちで手を動かして空き家を活かすことは、手探りの連続。

それで次がようやく見える、点と点が繋がっていくスタンスのわたしたちだったので、

『栞と本とカレーのお店』ということばに着地するまでに1年がかかった。

 

『リノベーションまちづくり講座』の受講者さんから、

「最初からなにをやるか決めていたんですか?」という質問があったけれど、

わたしたちの場合は、決まっていなかった。それに経験もなかった。

住みながら考え、自分たちができることから小さくはじめていった。

 

この感覚を大切に、なんども立ちどまりながら場所をつくってきたことは、

わたしたちにとっての自信に繋がってゆく。

 

ようやく最近つくった看板。今後も流動的に変化していくのだろうと思う。

 

歩んできた足跡は、だれかの道しるべに

空き家を活かすことは、ひとつの手段。

 

わたしたちにとって空き家を活かすことは、

暮らしと表現 を融合する きっかけづくり。

 

 

自分たちが心地よく暮らすための「つくる」を生み出す機会であり、

自分たちらしい表現を繰り返していく、可能性のある場所。

 

自分たちの経験から伝える機会をいただき、

その想いを改めて実感することができた。

 

『リノベーションまちづくり』受講生のみなさんと、今回の機会をいただいた運営スタッフ、丸亀市職員のみなさま

 

新しく何かをはじめようとするときにやってくる不安。

周りの声を聴き過ぎてしまって、本当の自分の声が聴こえなくなってしまう焦り。

せっかく「やりたい」と想った気持ちが消えてしまうことは、本当にもったいない。

 

近くで実践していたひとたちがいたからこそ、わたしたちも一歩踏み出せたように、

わたしたちの経験からでたことばが、誰かの次のヒントに繋がっていったらなと願う。

 

わたしたちのはじまりに寄せて、友人が贈ってくれたことばのように。

 

 

今日の時間は 次につながる

3月には、『リノベーションまちづくり』の受講生のみなさまと、丸亀ビルでマルシェをおこなう。

『栞や』も出店させていただけることになり、その日の再会がいまからとても楽しみ。

 

と同時に、みなさんの「やりたい」の熱を力に、

わたしたちの「やりたい」をそのときまでになにか形にしたいなと、また夢が膨らむ。

 

昨年10月、原画とともに栞の出店をさせてもらった丸亀ビル

 

今日の時間は、その日へと続いていく。

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この記事を書いたタビビト:
さなえ

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栞や Founder / Producer プロフィール詳細