あるタビビトによれば

”夢ヅル”を世界中から10,000羽集める女性が語る「心の豊かさ」とは / 文化発信クリエイター 坂木 茜音

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あなたの夢は何ですか?

 

小さい頃はすぐに答えられたはずのこの質問。

しかし、大人になるにつれて夢が何か分からなくなっている人も多いのではないのでしょうか。

 

そんな僕たちに、夢は誰にでも見つけられるものだと教えてくれる23歳の女の子がいます。

それが今年から“ORIORI”というプロジェクトを立ち上げ活動している坂木 茜音(さかき あかね)さんです。

 

ORIORIとは「心が豊かになる時間を作る」プロジェクト。

「世界中の人と、折り鶴を折って夢を書いてもらう”夢ヅル”を10,000羽集める」ことを目標にしています。

 

そして集めた夢ヅルを展示するために、日本文化を発信するイベントを2020年に行う予定です。

 

ORIORIのビジョンは「心が豊かになる時間を誰もが持てる世界」を創ることだと語る坂木さん

 

「昔は物は豊かではなかったけど心が豊かだった」

「笑顔になれている時が一番心が豊かな状態」

 

そう語る坂木さんの言葉の数々は「本質的な心の豊かさや幸せ」を考えさせられるものでした。

 

坂木さんの考え方はFacebookで発信したことをきっかけに大きく広がり、多くの人がORIORIのプロジェクトに参加しています。

 

学校や企業に呼ばれて講演する機会も増え、全国各地で講演やイベントを通して”自分と向き合う時間”を作っています。

 

さらに今年から、日本だけではなく世界にもORIORIを知ってもらうため、世界一周に飛び立つ予定です。

 

今回のインタビューを通して、

 

「自分は何がしたいのか分からない」

「世のためになるような夢が思いつかない」

 

そう考える僕たちが坂木さんの言葉から学んだことは

「自分がやりたいことをやることで、結果として世のためになる」

ということでした。

 

世界中の文化を体感して、日本の文化も発信したい

 

ー ORIORIはどういうきっかけでやろうと思ったんですか?

 

大学で伝統工芸やデザインを学んでいて、日本の文化ってかっこいいって思ってました。

 

特に昔の日本人の生き方が好きで、物は豊かじゃなかったけど人との繋がりが強いんです。

そんな心の豊かさに惹かれて、もっと世界中の人に日本の文化を発信したいと思うようになったんです。

 

ただ、日本の文化を発信する前にまずは世界のことを知らないと比較ができないと思ったので、世界一周に行きたいと思いました。

 

しかし、その時が就職活動真っ盛りの時期ということもあり、今後どうするか考えながら合同説明会に参加しました。

その時に

「なんでみんな同じスーツを着て、みんな同じような質問をしてるんだろう?なんでこんなに焦ってるんだろう?」

と就職活動に疑問を持ったんです。

本当にみんなこの仕事をしたいって思ってるの?って。

 

だから自分は納得できる選択をしたいと思って自分と向き合いました。

 

その中でやっぱり

「海外に行きたい」

「世界中の文化を体感して色んな人に会いたい。日本の文化も発信したい。」

そんな思いが溢れてきていました。

イタリア人二人と過ごしたクリスマス

 

そんな時、私はシェアハウスに住んでいたんですけど、クリスマスの日に2人のイタリア人が泊まりにきました。

 

みんなで話をして盛り上がったあとに、何気なく机の上にあったチョコレートの包み紙が目に留まったので、折り鶴を折ったんです。

すると、2人ともすごく驚いて「一緒に折りたい」と言ってくれたんです。

 

そのイタリア人から「鶴に何かメッセージを書いてほしい」と言われたので思いを込めてメッセージを書きました。

とても喜んでくれて私も嬉しかった。

そしてイタリア人の2人にもメッセージを書いてもらいました。

 

 

その時に「鶴に思いを込めてメッセージを書くのいいな」って閃いたんです。

 

じゃあ「鶴にメッセージではなく夢を描いてもらうのはどうだろう」と思い

このアイディアを試してみようと決めました。

 

後日、ヒッチハイクをした時に、乗せてくれた人たちと鶴を折って夢を書いてもらいました。

 

みんな最初は「夢ないわ」って言ってたんですけど

「自分のことじゃなくて人のことでもいいし、明日美味しいものが食べたいでもなんでもいいよ」って言ったら、5人全員が書いてくれたんです。

 

 

その時に自分と向き合う時間を作ったら誰でも夢って出てくるんだって気づきました。

 

本当にちょっとしたことが夢でもいいと思うんです。

 

夢を書くことで明日にワクワクするような時間が増えたらいいなって思ったんです。

 

だからこの折り鶴を使って色んな世代の人に夢を聞いていき、心が豊かになる時間を作ろうと思ったことがきっかけでORIORIが生まれました。

 

ー イタリア人の反応やヒッチハイクに乗せてくれた人の反応がきっかけでアイデアが生まれたんですね。

 

そうなんです。実は夢とかやりたいことって、自分と向きあってる時だけじゃなくて、人と話してる時に生まれたり認識したりすることがあるんです。

 

口に出したり文章化すると自分のことが分かるって、このとき気づきました。

 

だからこの経験を元にORIORIは心が豊かになる時間をこう定義しています。

心が豊かになる時間

 

私は心が豊かになる時間をこう定義しています。

 

1.自分と向き合う時間

自分が何をしたいか。何が好きか。何をしたくないかを自分と向き合って考える時間。

 

2.自分以外と向き合う時間

人と話したりする時間。

 

3.笑顔になる時間

その瞬間をその場にいるみんなで楽しむ時間。

 

この3つの時間を生み出すことができるのがORIORIなんです。

 

ー なるほど。自分と向き合う時間だけでなく、自分以外の人と向き合う時間の中で自分のやりたいことが分かるということですね。

 

そうですね。

 

学生の時に多くのコミュニティに所属してイベントに参加していたんですけど

それも色んな人の話を聞くことで知らないことを知って、自分がやりたいことが何か考えるきっかけになっていました。

ひとり旅が心を豊かにする

 

ー 心が豊かになる時間っていうのは具体的にどんな時に感じますか?

 

例えば、ひとり旅をしている時に感じますね

 

私は「人がすごく好き」っていうのと

「自分の知らないことを知りたい」っていう思いがあります。

 

その両方を満たしてくれるのが私にとってはひとり旅です。

 

ひとり旅をすると色んな人に出会います。

 

私は1人じゃないと関われない人が絶対いると思ってて

 

例えばグループが出来上がっている集団に話しかけづらいじゃないですか。

でも一人だと気を遣って話してくれる人がいたり自分から飛び込みやすくなる。

そこからそのコミュニティに入っていける。

 

 

そしてその一期一会の出会いというか一瞬一瞬を大事にすると、

そこで出会った人と後日また繋がることができたり、一緒にイベントができたりするんです。

 

そういう人との繋がりの中で新たな自分を発見できたり、みんなで楽しさを共有できた時が人生の中の宝物になってるって感じます。

 

ー 坂木さんが講演やイベントに呼ばれるのはその時出会った人との繋がりがあるからなんですね。

これからこのORIORIをどうしていきたいですか?

 

普段からSNSや口で発信してることもあって、自分のことを元々知ってくれている人には自分のやりたいことがある程度伝わっていると思うので、

今後は自分のことを知らない人に知ってもらうのが次の課題ですね。

 

だから世界一周に行くまでに日本で仲間をたくさん増やしたいです。

 

そして世界一周に行く時には、日本での活動は一緒にやってくれる仲間に託して自分は外国に行ってさらにORIORIを広めていきたいと思ってます。

 

世界中で色んな問題があると思うんですけど

結局一人一人が夢に向かって一歩ずつ行動すれば、70億人でやれば大きな一歩になると思う。

 

だからみんな自分がやりたいことをやって結果、世のためになってるのが理想です。

 

そのためのお手伝いをORIORIを通してやっていきたいです。

真の心の豊かさとは

 

坂木さんの言葉から学んだことは

 

「小さな夢でも自分がやりたいことをやることで、結果として世のためになる」ということ。

そして

「自分と向き合う時間を作ることで心が豊かになる」ということ。

 

坂木さんの話を聞くまでは、豊かな人とは「お金があって好きなものを買える人」が豊かな人だと思っていました。

 

でも、本当の豊かさとは、夢を持っていて、人との繋がりの中で笑顔になれる時間を作ること。

 

本当の意味で貧しいひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、「もっともっと」といくらあっても満足しない人のことなのかもしれない。

 

坂木さんは最後にこんなことを言っていた。

 

「世界をすぐに変えられるわけではないが、あなた自身は変わることができる。

あなたの一歩が人類にとっての大きな一歩となる。」

 

あなたは何を楽しみに明日を迎えますか?

 

Interviewee

坂木 茜音(ORIORI)
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