証券会社を5ヶ月で退職した24歳に学ぶ。これからの時代の『お金の価値と働き方』/ 三宅康太
「ずっと、このままの暮らしを続けるのだろうか?」
「お金と安定のために働いているけど、幸せになれる気がしない」
物がありふれてしまった現代、いい大学に行き、いい会社に入って一つの会社でずっと働いて・・・というこれまで理想とされてきた生き方が揺らいできました。
しかし、一方でそれに代わる選択肢を見つけだし、周囲の反対を押し切って自分の理想の生き方を追求することの難しさを感じている方は多いのではないでしょうか。
そんな僕たちに新しい視座を与えてくれる、元証券営業マンがいます。それが、現在24歳、昨年からキャンプ場のオーナーとして働き始めた三宅康太(ミヤケコウタ)さんです。
三宅さんは新卒で入社した証券会社をわずか5ヶ月で退社。
「『お金の価値』が全ての基準の物差しになってしまっていた。」
「経済成長期の頃の日本と比べて、周りの環境はどんどん変わっていっている。だったら、働き方も変えたほうが自然な話じゃないのか。」
そう話す三宅さんの言葉の数々は現代社会で働く僕たちに『お金の価値と働き方』を考えさせられるものでした。
三宅さんの考え方は多くの方の心に響き、メディアでのインタビュー、大学での講義など『これからの時代を担う若者』として注目されています。
入社5ヶ月目のとき、「会社を辞める」ことを決断し、高給取りの証券会社を辞めて、仲間と共に上山集楽で棚田の再生もしつつ『使われなくなったキャンプ場』を再生していく道を選びました。
そして現在は田んぼや畑をしながら、ほぼ一人でキャンプ場を運営しています。
「お金を稼ぐために働くのが当たり前」、「安定した会社で生涯勤めるのが当たり前」・・・そう考える僕たちが三宅さんの言葉から改めて学んだのは、「違和感を大切にして、自分の頭で考え抜く」ことの重要性でした。
サラリーマンの働き方は現代において幸せになれる生き方なのか
ー 5ヶ月で仕事を辞めることを決断したのはどんなキッカケがあったんですか?
証券時代にサラリーマンの働き方やお金の価値に違和感を感じたことがキッカケです。
高度経済成長期の時の暮らし方は、バリバリ働いて、物をたくさん増やして、稼いだお金で贅沢に遊ぶ。
それはその時代の楽しみ方だとは思うんです。だけど、今はバブルが崩壊して、経済成長は減速していて。」
現在、経済成長期と同じような働き方をしているけど、周りの環境はどんどん変わっていっている。
だったら、「働き方も変えたほうが自然な話じゃないのか」と思うようになって。
まだ週に5日、6日、多い人は7日働いてる人がたくさんいる。
家族を顧みずに仕事をして、「子供も産まなくなって日本という国がもう消滅するかもしれない」ってわかってるのに。
「今なおまだその働き方をする人が多いっていうのはやばいんじゃないか?」と思うようになったんです。
もっと家族を大事にするとか、自分の時間を増やす働き方の方が時代にあってるんじゃないか。
そっちに価値を置く生き方にシフトした方が結果的に幸せになれるんじゃないか。っていうのをすごい感じたんですよね。
お金の価値が全ての基準の物差しになっていると感じた出来事
証券営業を始めた時に『イギリスが EU を離脱する』ニュースがあり、それで株価が大きく下がったタイミングがあったんです。
支店の雰囲気もすごい暗いし、お客さんの所に行っても「今日はそんな話する気ないから。」という感じになったことがあったんですよね。
『お金の価値』を全ての基準にするのは人として生きる上で危ういんじゃないかなって感じて。
金融危機とかで一旦お金の信頼が落ちてしまうといろいろ 自分の中のものさしも狂ってしまうから。
実は、お金なくても生きれるじゃないですか。ご飯と水と睡眠さえ取れれば。
でも今の多くの都会での暮らし方はお金がないと生きていけないんです。
その後、株価は回復したんですけど。そこから「お金ってなんなんだろうな」考えるようになりました。
それを感じてるのに自分は証券会社の会社員として働いていていいのか
そこからいろいろ情報収集をしたり、いろんな人に会いに行って話を聞いたり、本を読んだりしている中で上山集楽と出会って。それがここに来たきっかけ。
ー 第一に求めた理想はどういう形だったんですか?
理想の姿はなくて、違和感を感じた時にこれでいいんだろうかっていうのしかなくって、
じゃあ、理想が分からないからそれを分かるために情報を集めてみようって。
「まずは、いろいろ動いてみよう」って。
どういった生き方があるのか、仕事辞めるにしても何からしたらいいのか、考えるためにいろいろビジネス書を読んでみた。
ホリエモンの本を読んでみたり、本に出てくるいろいろ面白そうな人を調べてみたり。
その中でイケダハヤトさんを見つけて、ブログを見てみたりとかしてたら地域おこし協力隊っていうキーワードが出てきたんです。
そこから調べたら『上山集楽』が出て来て。
「さっそく行ってみよう!」ってなって上山集楽で話しているうちにどんどん興味が湧いてきて。
違和感を模索する中で、自分のやりたい事を見つけた
『上山集楽』に至るまでにある程度自分がどういうことをしたいかっていうのがだんだん出来上がってきたんです。
「居場所作りがしたいと思った」
自分みたいに違和感を感じてるけど、「どうしたらいいか分からない」っていう人でも何か次の一歩を踏み出せるような居場所作りとかできたら何か意味はあるのかなあとか。
自然はあるから切り開いてキャンプ場みたいにして何かやったらいいんじゃないかなあとか。
そして、上山集楽にきた時に「君なにかやりたいことあるの?」って聞かれた時に「キャンプ場とかできたら面白いですよね」って。
そしたら「うちにあるよー」って。それがこのキャンプ場で。笑
このキャンプ場は昨年まで閉鎖していて。指定管理を受ける前だったんです。
でももしかしたら、ここを管理できるかもしれないってその時に教えてもらって。
「じゃあやります!!」って勢いでした。
もうその日に決めて、その次の日会社行った時に「会社辞めます。」って伝えていました。
「考えながら動きなさい。考えるだけでもダメ、動くだけでもダメ」
ー 違和感を感じてからの行動力が本当にすごいですね。
実は、ゼミの先生との出会いがすごくいい出会いで。
しっかり考えることを学ばされたんです。
「考えながら動きなさい。
考えるだけでもダメ、動くだけでもダメ」
その先生が言ってたのは、幸せになるための魔法の杖があるとしたら、それは『考える事』。
立ち止まったらそこで終わるかもしれないけど、考えたらそれを打破できるかもしれない。
違和感に気づくところまではみんなあるけど、そのあとに考えて模索するっていうところがすごく重要なんだろうなって思う。
ー 今モヤモヤしてる人がいたらどんなアドバイスをしますか??
今、モヤモヤを抱えているならその原因を突き詰めてみるといいと思う。
なぜ、モヤモヤしているのか?そのモヤモヤは何なのか?
解決するためにどうしたらいいのか?モヤモヤはあくまでキッカケに過ぎないと思う。
焚き火の焚き付けのような感じ。
焚き火は少しずつ小さな枝から大きな枝を入れていき、火を育てていく。
小さな違和感がキッカケで、少しずつ自分のモヤモヤを突き詰めながら、いろんな情報をインプットしてみるといいと思う。
ー そこで焚き火を絡めてくる・・・!さすが、キャンプオーナー!
(笑)
逆に、加えすぎても焚き火は燃えないってのがあるので、それは考えすぎなのか、情報量が多すぎる。
整理をした方がいいかもしれない。
紙にも書いたし、メモにも書いたし、言葉にするってのは一つの手段。
話してみるってのもいいかもしれない。焚き火を囲んで今みたいに話すのもすごく良いですよね。
心から楽しいことを突き詰めていく
ー 今後の展望は??
これからも『居場所作り』をしたいですね。
これからの時代を担うのは、僕らだから同年代と何かやりたいです。
繋がりを持つとか、一緒に面白いことをやっていきたいですね。
僕たちの言葉で、「楽しいことは正しいこと」って言葉があるんです。
でも、決してそれは楽なことじゃない。本当に楽しいと思うことであればきっと正しいことであって。
結局、本当に心から楽しいと思うことを突き詰めていく。
でも、突き詰めていくとぜんぜん楽じゃないんですけど、でもそれは楽しいことであって。
違和感の話と一緒で、自分の心の中を見つめて何が違和感なのか、何が楽しいのかを向き合っていくことをやっていきながら楽しいことを突き詰めていきたいですね。
三宅さんから僕たちが学んだのは、「違和感を大切にして、自分の頭で考え抜くこと」
昨今では、多くの方が働き方に疑問を感じつつも、
「まあ、仕方ないか・・・」
「みんなやってるから」
こんな言葉で片付けてしまい、自分の違和感に向き合えずにいるのではないでしょうか。
やりたいことがない状況でも、三宅さんのようにまず一歩踏み出してみることで、新しい発見があるかもしれません。
まずは、あなたの『違和感』に触れてみてください。
よかったら、『三宅さんのキャンプ場』や『栞や』であなたの新しい視座を教えてくださいね。