“関係人口”って? 観光以上移住未満の 栞や との関わり方
こんにちは。栞やのライター、さなえです。
わたしは8年間ほど、毎日瀬戸大橋を渡って、瀬戸内海を眺めていました。
香川の実家から岡山の大学に、橋を渡って通った4年間。
そして就職して、結婚して、岡山に住むことになり、
岡山から香川へシゴトに橋を渡って通った4年間。
わたしにとって瀬戸大橋は、岡山と香川の暮らしをつなぐ身近な存在。
わたしも、瀬戸大橋みたいに香川と岡山を結ぶシゴトができたらいいなと思っています。
その第一歩目に、3月に企画したのは『草刈りつき こんぴらさんツアー』です。
岡山から栞やメンバーを連れて、香川の琴平にある栞やの土地に案内しました。
“関係人口”としての、観光以上移住未満の関わり方
地域創生の記事を読んでいると、『関係人口』という言葉に出会いました。
『関係人口』とは、
移住でも、観光でもなく、多様なかたちで地域と関わる人たちのことをさします。
ソーシャル&エコマガジン『ソトコト』(2018年2月号)で、関係人口の特集が組まれていました。
この特集を読んで、岡山に住みながらも香川との関係を築く仕組みは、関係人口づくりだと気づきました。
県外から関係人口として関わる人が増えることが、栞やづくりや琴平の地域活性化の鍵だなと思ったのです。
観光地にいくだけの旅は、随分としなくなりました。
その土地に行ってみたいと惹かれるのは、
会いたい人がいたり、その場所が自分のコミュニティだと思えるとき。
あくまで観光はおまけです。
栞やを身近に感じてもらうためにできることを考えました。
そうして至ったのは、
実際に琴平の土地に行って、このコミュニティだからこそできる体験をしてもらおう
という企画をすることでした。
Let’s 草抜き!地元の方の協力でなんとか達成!
3月に栞やの”リアルの場”である、琴平の土地にみんなで訪れました。
ダイレクトにこの土地に触れてみます。
ご覧のとおり、竹林も草も元気に生えているこちらの土地。
当初は “草むしり” 程度を予定していたので、装備は、軍手とゴミ袋、草刈機のみで挑みました。
ですが、実際に草を抜き始めてみると
土地が粘土質なこともあって、土が一緒にくっつくうえに、草が重い。
素手での限界をいきなり痛感することになりました…
もはや草抜きとは呼べず、”土剥がし” になっています。
その様子を見ていた、近所に住むおばあちゃん(97歳)がクワやスコップなどの道具を貸してくれることになりました。
「どれでもかまんけん、好きなん持って行ったらええわ。
もうおばあさん使わんけんな、つこてくれた方がえんや。」
と。
背中もピンとしていて、玄関先の花の手入れを綺麗にしている元気なおばあちゃんとの
思いがけない交流が生まれました。
琴平に住むみなさんとの関係をこれから築いていくわたしたちにとって、声をかけて親切にしてもらえたことは本当に嬉しかったです。
作業も一気にはかどります。どんどん掘りました。
調子にのって想像以上にたくさん抜けました。
抜き終わった草たちをどうしようか…
と思っていたところ、
今度は、この土地の前の道を管理してくれている近所の方に出会いました。
栞やの前の道は、神社へと続く神聖な場所で、
地域の方が大切に守ってこられています。
ご近所の方曰く、「ちょうど明日ゴミの日やから、捨てるところ教えてあげるわ。
ゴミ袋、家にある分、持ってきてあげるけん、ちょっと待っといてな。」
と。
これまた、思ってもいなかった出来事。
タイミングに恐ろしく恵まれて、出会う方に親切にしていただき、無事に草抜きを完了したのでした。
地域の方との交流ができたこと。
実際に草抜きをしてこの土地に触れたこと。
琴平に来る機会があったら、参加してくれたメンバーも今日の出来事を思い出すんだろうな。
みんな、意識していないだろうとは思うけれど、
関係人口としての関係が始まっちゃってます。
「土地に愛着を持ったわ」
「俺たちのおかげで土地の資産価値が上がったな」と言ってくれたことが、
まさにそうなのでした。
本当にありがとう。
観光としても魅力的なこんぴらさんで、さらにお得
関係人口としての関わりを目指していたとはいえ、
観光地としても有名なこんぴらさん。
実は香川県の主要観光地(栗林公園、屋島、琴平、小豆島)のなかで、
一番観光客数が多いのが琴平なのです。(『平成28年 香川県観光客動態調査報告』参照)
岡山と香川は瀬戸大橋で繋がっているとはいえ、お互いの県をあまり行き来しないという人が周りに多いように感じていて、
それがもったいないなとも思っていました。
簡単にツアーの様子もご紹介します。
早朝のこんぴらさんを案内しました。
参拝客のまだ少ない朝の時間は、静けさがあって清々しいです。
785段目の御本宮に到着しました。
そして香川といえば、讃岐うどんですね。
こんぴら温泉にも入りました。
みんなお疲れさまでした。
「またこんぴらさんツアーやってほしい」という声をもらったので
次回も土地と関わりながら企画できたらいいなと思っています。
『今、日本の地域は、移住・定住人口を奪い合うことで疲弊しています。(中略)
関係人口こそが、地域と都市の若者がウィン・ウィンの関係になれる第三の道なのです。』
ソーシャル&エコマガジン『ソトコト』(2018年2月号)
関係人口によって、地域活性化やその人のなかにある可能性を広げる鍵になることを実感しました。
栞やに興味を持っていただいた方、琴平に関心がある方、お気軽にご連絡くださいね。
一緒に面白い場所にしていきましょう。